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電子カタログのおもしろさと不便さ


リアルに3次元であるモデルをそのまま2次元のディスプレイ上で表現する技術には敬意を表します。まるで、リアルにカタログをめくっているみたい! そんな表現が電子ブックや電子カタログとして用いられたりしています。

分厚い冊子がこんなに手軽にめくれるなんて、便利! ……でも、それ以下でないかわりに、それ以上でもない。実際には意外に不便な部分が多いのです。

カタログ例

まずは、操作方法がまちまち。それぞれの作り手が便利さなどを追求した結果(または過程)でそのようなインターフェイスを考え出したわけですけれども、見るカタログによってまちまちなのは解りづらい。

カタログ例

どのカタログにも「めくる」「印を付ける」など似たような操作しか無いにもかかわらず、ちょっとずつ違う。しかもその操作位置が上だったり下だったりということ程度ではない。

また、せっかくの電子データだというのに、コピーもペーストもできないのが不便。これは、新聞の電子版なんかにも言えることだけど。3次元のリアルなモノに見た目を近づけたいという欲求を満たすために、そのデータのデータである価値を切り棄てられている。

新聞なんかでは、紙の新聞の価値を維持したいがためにわざと電子版の価値を低めているだろう! と白目になっちゃいますけど、カタログはどちらかといえば紙のカタログを製造・在庫・発送するコストを圧縮できるし、いち早く最新版を届けられるので電子版の価値は高めた方がいいんじゃなかろうか。

電子カタログで最もいらいらするのは、目次や索引のページがあるのに、その目次や索引の中から名称やページ番号をクリックしても、そのページに移動できない……ε=(ノ_ _)ノ。阿呆でしょう、それ。ペラリ、とか効果音を挿入している場合ではないのですよ。

リアルな本なら、ページ番号を確認できたらペラペラペラペラ——ってページを「早送り」して目的のページを開くまでに1秒か2秒くらい?

ところが電子版ではクリックしたらすぐそのページに移動してくれたら一瞬で済むところを、

  • うっかりクリックしたら拡大表示になっちゃって、
  • 元の画面に戻って、
  • このページに一発ジャンプするにはどうしたらいいのだ? と悩んでみたりしながら
  • 結局は1ページずつポチポチ送ることになってイライラする。

キー(`Д´+)

まぁ、作り手の都合なのはわかります。印刷データをそのまま流用すると、だいたいこうなる。印刷データそのものなので、見た目も整っている。印刷物と同じだから見るヒトは迷いないのだろうと思うのだろう。そこが誤りだ

リアルの本と電子データとは、表示色や並び順などリンクしていた方がいいことはたくさんある。だからって、そのメディアの特長を無視して完全に全く同じになるようにするだけではダメなのだ。逆を考えてみたらいい。ウェブで商品を紹介するページをそのまま印刷しても何か違うのだ。

メディアそれぞれの特長を生かさねば、意味がない。

産経新聞のiPhoneアプリなんかも、紙面コピーそのまま。紙面レイアウトは見出しの強弱や記事配置なんかで編集の意図がだいたいつかめるという利点がある反面、iPhoneのクソ小さい画面でそれを見せられても、ねぇ。紙は紙なりの表現方法が洗練されてきたわけなので、電子データはそれなりの表示デザインというものがあるべきでしょう。

カタログ例

せっかく、印刷物同様に便利なタブまで電子版にも付けてるんだったら、タブをクリックしたらそのページを表示してほしいですよね! ところが、このタブも、うっかりクリックするとただ拡大表示しちゃって、却って鬱陶しいのだ。つまり、クリックして拡大表示するだけのタブなら、そのページは不要なのだ。

だから、印刷物を取り寄せろ、ってことなのかなぁ。リアルな3次元のカタログ本を取り寄せるためには、リアルな住所とリアルな氏名が必要になるもんなー。そうすると、そのカタログを送付したリアルなリストを保持できるもんなー。

そのために、消費者の便利を犠牲にする意味あるのかなー……。

じゃなかったら、ページの端をペラペラペラーってする機能が付けば、それはそれでいいのかもね。カタログなら。でも、電子カタログ発信者が制作者にどう注文つけたらいいかわからないんだろな。

印刷物ありきで、データ配布は後回し、と考えるからこのような現状を打破できないのではないかと思われます。カタログ制作には、商品名や商品番号、サイズや価格や色違いなんていう情報があるわけで、その情報をどう管理して、どう引き出しているかということによるかなー。

その商品情報、プリントアウトしてレイアウト業者にFAXして制作させて、照合する、なんってことやってるのかなぁ。

商品情報データベースから直接情報を引き出して、レイアウト情報に自動的に流し込む仕組みがあるんだとしたら、そこからウェブで見せる形式を作るのは簡単そうだ。でも、それができていないから、印刷物を入念にチェックしながら制作し、そのチェック済みのデータをまるまる流用したいのかも。

データベースの時点でチェック済みならば、そのデータベースの生データからいろんなモノが生成できると、世の中変わりそうな気がしまっせぇ!


Posted in ウェブ関連, デザイン
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凸版印刷の中のヒトが気にしているようですが
これを期に21世紀の電子カタログの開発をお願いします。
もう、ペラペラ音がするなんて意味ないから!

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