「サンドウィッチは、魔女をサンドしているからサンドウィッチなんでしょ」
語感だけで世界を作ると、だいたいこうなる。
そもそも「サンドする」という動詞は、サンドウィッチという料理名が広まったあとに生まれた言い方だ。順番としては料理のほうが先にあって、魔女はそもそも関係がないし、こんなところで語源扱いされているのだとしたら、魔女も困惑する。
席を立ちたくなかった伯爵
名前の由来とされるのは サンドウィッチ伯爵。
この人は、執務中でもギャンブル中でも、席を離れたくなかったらしい。そこで「片手で食べられるもの」を用意させた。
発明ではなく、事情である。理念など無い、面倒くささだ。
それにしても、現代人が過去を見渡した時に、パンに何かを挟むという行為は、そこまで革新的だろうかと考える。
たぶん前からあった
厨房のまかないで誰かが普通にやっていても不思議ではない。
片手で食べられる軽食をリクエストされたので、厨房のまかない飯でもいいかと、トーストにローストビーフをはさんだものを提供した。そして伯爵の名前が後世まで残った。
料理の発明というより、命名の成功に近い。
名前がつくと急に格が上がる
英語で「挟む」って、何ていうんだっけ?
こらーっ!
「sandwich it」を使わなければ「put it between」。杓子定規な説明でしかない。「insert」とか「inject」とかになると、医療行為のような感じも受け取れてしまう。
中身は同じでも、語感が歴史っぽさを出す。人はわりとその雰囲気に弱い。
どうでもいい話だ。


