ある日突然、新たに黄色いやつがやってきた。
「これを使うのはおまえしかいない!」
そんな謎の使命感とともに、黄色いモノを見つけては、時々買い与えてくる友人がニコニコ顔で手渡してきた。それが、この《毎日カレーが食べたくなる電気圧力鍋》である。
箱からしてもう主張が強い。黄色い。とにかく黄色い。しかも、ゴーゴーカレーのレトルトが添えられているあたり、これを使ったら最後、毎日カレーのループに陥るという警告にも思えてくる。
ときに、家にはすでに圧力鍋がある。しかし、これは電気マイコン圧力鍋。放っておけば勝手に料理ができる、あの魔法の道具に分類されるやつではなかろうか? ということで、さっそく開封してみる。
見事なまでに黄色。本体も黄色。ボタンも黄色。これでもかというくらいにカレーを感じさせてくる。
スタートボタンは[ゴーゴー]。
この鍋は、ゴーゴーカレーと山善のコラボで生まれた。聞けば、山善の担当者がガチのゴーゴーファンだったらしく、気合いの入り方が違う。
スタートボタンがある場所には堂々と[ゴーゴー]と書いてある。もはや家電というよりエンタメではないか。
プリセットモードは全12種類。炊飯、圧力、無圧と、料理の幅も広そうだ。ちなみに手動でも圧力と加熱時間を設定できるので、応用力はかなりある。
まずは王道、角煮を作ってみた
カレーを名乗る鍋だが、最初に作ったのは角煮だった。冷凍庫に750gの豚ブロックがあったので、解凍してクックパッドのレシピを参考に調味料を調整しつつ挑戦。角煮は[圧力調理]05番にプリセットされているので選択して[ゴーゴー]するだけ(スタートのかわり)。
結果——
めちゃくちゃうまい。
脂がトロトロになりつつ、全体はあっさり仕上がっていて、これは確実にリピート案件である。なにより、鍋に材料を放り込んでボタンを押すだけでできるというのが圧倒的にラク。火加減を気にせず、タイマーが勝手に切れてくれるありがたさよ。ヤカンが空になるまでわかし続けてしまう者にはちょうどいい。
フタは回して外す方式で、昔ながらの圧力鍋に近い。内釜は軽いアルミ製で、フッ素コート。長く使えば剥げてくる予感がする。5年、10年後に内釜だけ買えるかどうかは運次第である。
圧力とはなにか、という話
圧力炊飯器はモデルによるが、だいたい40〜60kPaで、沸騰温度は110〜115℃ほどのようだ。今回の70kPa(約115℃)はそのやや上、ステンレス圧力鍋の100kPa(121℃)には届かないものの、日常使いには充分。
なお、我が家のステンレス圧力鍋は100kPaと60kPa(約115℃)の2段階。
カレーは、まだ
そう。肝心のカレーはまだ作っていない。せっかく「毎日食べたくなる」と言われているのに。これは近々、満を持してゴーゴーカレー公式レシピを試してみる予定である。
ただ、この鍋の最大の功績は、台所にひときわ目立つ黄色を導入したことかもしれない。なんだか元気になるのだ。ごはんを作るのが少し楽しくなるという意味では、この黄色、実はかなり計算されているのではなかろうか。
白くない調理家電が増えるのだ ε=(ノ_ _)ノ
少し使ってみた追記(2025.06)
外して洗うパーツの脱着が不便
内部の水滴が小さいタンクに溜まって、はずして洗うようになっているのは親切なのだが……
なんで後ろなの?
放っておくわけにいかないのでその都度洗わねばならない。でもそれが背面にあるってちょっとひどくない? 前面にあったら麗しくないということはわからなくもないが、サッとはずして洗いいつでも清潔な方が優先されるのではないかと思うのだ。
たしかに前面には操作パネルがあって水滴を集めるには向いていない。だから遠ざけて背面になるというのは仕方ない。この鍋は、安い価格を維持するということも重要な「機能」のひとつだから複雑な構造にするよりもシンプルに前後で役目を振り分けたいのだろう。
でもなー……。せめて側面とかダメだったのかとしつこく食い下がりたい気持ちもあるYO!